彫刻 特集 「近代彫刻 −構成と空間の美−」
第4展示室
  平成23年1月4日(火)〜2月7日(月) 会期中無休     
 

高橋清作 人とトラロック  一般的に彫刻は空間内に「どれだけの量をどのような関係性で構成し、配置するか?」ということが形而上、問われるものですが、之は作品制作時はもとより、作品の設置から鑑賞の各シーンにおいても考えられるべきものであり、またこれは抽象・具象などの作品スタイルの別や、作品の素材・種類を問わずに通底するものといえましょう。
  伝統的な彫刻の概念である量塊・量感は、球心性(中央に向かってまとまりをみせる)をその基本的な要素の一つとするものですが、空間性に比重を置く作品では、彫刻の動勢が発展する方向へ向け開かれた空間が与えられなければなりません。
  近代彫刻では、量塊に穴を穿ったり、割れを走らせたり、またずらしたりして緊張感の創出を目指す作品も見えるほか、作品内に大きく空洞をあけたり、作品構成として作品に負の空間を抱かせたりして周りの空間を取り込んだり、さらには作品をとりまく環境に溶け込み、一体化を図るかのような作品など多彩な展開が見えるものとなっています。
 本展ではこのように三次元の立体芸術であり、物体芸術でもある彫刻について、空間性からの視点に立って量塊の構成美と負の空間性を生かした多彩な作品を眺めていただくものです。

 高橋 清 人とトラロック

作  品  名 作 者 名 制作年 初 出 展 受 賞 材 質
1 スパイラル'84 木戸 修 昭和59(1984)

 

ステンレス
2 スパイラルリング#3 木戸 修 平成3(1991)   ステンレス
3 裸婦(トルソ) 木下 繁 昭和39(1964) 第7回日展(新日展) ブロンズ
4 心意空間 重田照雄 昭和48(1973) 第23回モダンアート展 アルミ
5 時の流れの中で'88 重田照雄 昭和63(1988) 第38回モダンアート展 アルミ
6 UNITY-8 大地から空間へ 島屋純晴 昭和59(1984) 第23回北陸中日美術展大賞 鉄・ステンレス
7 清水良治 平成4(1992) 第56回新制作展 ブロンズ
8 蜘蛛の糸(芥川龍之介) 清水良治 平成16(2004) 第66回新制作展 ブロンズ
9 鳥女 清水良治 平成11(1999) 第63回新制作展 ブロンズ
10 正三角形の内と外 末政哲夫 平成10(1998) 第52回二紀展 ステンレス
11 天窓の上の獅子座 末政哲夫 平成17(2005) 第59回二紀展 宮本賞 ステンレス
12 去りゆく夏 銭亀賢治 昭和52(1977) 第9回日展(改組日展) ブロンズ
13 人とトラロック 髙橋 清 昭和43(1968)   ブロンズ
14 野畠耕之助 昭和57(1982) 第14回日展(改組日展) FRP
15 コンポジション 祈り 長谷川大治郎 昭和60(1985) 第71回二科展
16 霊と女 堀 義雄 昭和36(1961) 第15回二紀展 乾漆
17 私を捨てないで 堀 義雄 昭和40(1965) 第19回二紀展 乾漆
18 女と男の不思議な縁 堀 義雄 平成21(2009) 第63回二紀展 乾漆
19 曲芸師 三谷 慎 昭和59(1984)   ブロンズ
20 身辺モデル −類似化ー 宮崎豊治 昭和60(1985)  
21 SLIDE №5 山下晴子 平成3(1991)  
22 波乗り 山瀬晋吾 昭和59(1984) 第16回日展(改組日展)特選 FRP
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