新春を寿ぐ
第2展示室
  平成23年1月4日(火)〜2月7日(日)  会期中無休     

 
  「新春を寿ぐ」とのタイトルを冠した今回の特集では、新しい年が佳き年でありますようにとの願いを込めて、新年の干支である兎をモティーフとした作品から、実際の用途の他に「お目出度い」シーンを演出するのに用いられる能面・能装束や梅、松、鶴、春秋など様々な吉祥図による絵画、調度を展示します。
 兎は中国においては、満ち欠けを繰り返す月に住み、不老長寿の仙薬をついていると考えられていました。そこで、不老不死や復活、再生などのお目出度い意匠として様々な場面に用いられてきました。日本では仙薬が餅に変わりましたが、文化的な意味は継承されています。そこには兎の強い繁殖力や、俊敏さに対する評価も加味されていたことでしょう。
  今回兎の名作として、先の「久隅守景展」で館内外の表示に大活躍した「笹に兎図」に改めて注目したいと思います。学問を奨励した加賀藩の文化風土の中で画業を開花させた守景は、道教、儒教、仏教に関する鋭い洞察を、実にわかりやすく表現しています。今回は、この作品にこめられた深意と、上部を大きく開けた構図の謎解きとして、仏画の脇絵として展示します。中絵には、牧谿の筆と伝えられる「観音図」を用います。新しい年を祝うのにふさわしい一点となるのではないでしょうか。

 

 □=石川県文 ◯=重美 ◎=重文
No.   作品名 作者等 時代 員数
1   能面 翁 伝 三光坊 室町16世紀 1面
2   能面 増女 近江 江戸17世紀 1面
3   兎福寿草図 岸駒 (1782) 江戸 1幅
4   小井戸茶碗 銘玉兎   李朝16世紀 1口
5   蒔絵猿兎綱引図印籠 二代米田孫六 江戸19世紀 1合
6   笹に兎図・蓮に翡翠図 久隅守景 江戸17世紀 2福
7   観音図 伝牧谿 南宋13世紀 1幅
8   萩に兎図 俵屋宗雪 江戸17世紀 1幅
9   紅白梅図   江戸17世紀 6曲1双
10   東方朔松竹梅図 狩野伊川院 江戸19世紀 3福
11   猿廻し図 久隅守景 江戸17世紀 1幅
12   七人猩々図 狩野常信 1704 1幅
13   蒔絵十種香箱 伝五十嵐道甫 江戸17世紀 1式
14   蒔絵千鳥図硯箱 伝清水九兵衛 江戸17世紀 1合
15   蒔絵象象嵌図提箪笥 小川破笠 1721 1基
16   色変鶴菱文唐織   江戸17世紀 1領
17   桃色地山道文摺箔   1812 1領

古九谷
 No.  指定 作品名    制作年代   
1 ○・□ 色絵布袋図平鉢 古九谷 江戸17世紀 1口
2 色絵鳳凰図平鉢 古九谷 江戸17世紀 1口
3 色絵鶉草花図平鉢 古九谷 江戸17世紀 1口
4 色絵百花散双鳥図平鉢 古九谷 江戸17世紀 1口
5 青手樹木図平鉢 古九谷 江戸17世紀 1口
6 青手桜花散文平鉢 古九谷 江戸17世紀 1口
7   色絵宝尽鷺文平鉢 古九谷 江戸17世紀 1口
8   色絵牡丹文平鉢 古九谷 江戸17世紀 1口
9   青手椿図平鉢 古九谷 江戸17世紀 1口
10   青手老松図平鉢 古九谷 江戸17世紀 1口
11   青手松竹梅文平鉢 古九谷 江戸17世紀 1口
12   青手葡萄図平鉢 古九谷 江戸17世紀 1口
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