大名夫人の調度 −婚礼調度を中心に−    

 前田育徳会尊經閣文庫分館
  平成21年11月29日(日)〜12月23日(水) 会期中無休   

 婚礼調度とは、婚礼にあたって女性の家から嫁ぎ先へ持参された「嫁入り道具」のことです。それら化粧道具・文房具・遊戯具などは、蒔絵で家紋が散らされた豪華な装飾で、意匠も統一されていました。前田家では、徳川家からの輿入れが多く、将軍家からの輿入れに際しては、新しい御殿(御守殿)を新築して、姫君を迎えています。本特集で紹介するのは、13代藩主斉泰に嫁いだ十一代将軍家斉の21女・偕子(溶姫)の婚礼調度ですが、溶姫を迎える際に建てられた御守殿門は、現在、東京大学にある「赤門」としてよく知られています。
厨子棚
 拾弐手箱・香盆・硯箱など、化粧道具・香道具・文房具を置きます。厨子棚は、平安時代の公家の調度に始まり、室町時代に黒棚とともにこの形式となったと考えられています。家具というものがほとんど発達しなかったわが国においては、数少ない伝統的調度といえます。
拾弐手箱
 手箱は、平安時代に貴族の手回り道具を入れた箱に始まり、鎌倉時代以降は、化粧道具のみを納めるようになります。大円形の鏡箱(二合)など十二合の箱が納められます。
短冊箱
 短冊を納めるための長方形の箱です。いつでも短冊に詩文が書けるように、懸子には硯・水滴・筆が納められています。本特集では、こうした調度を中心に、香道具と遊戯具も紹介します。

番号 作品名    
1
姫君入輿行列図   2巻のうち上巻
2
葵紋蒔絵調度品 厨子棚  
 
  黒棚  
 
  拾弐手箱  
 
  料紙箱  
     色紙箱  
 
  硯箱  
 
  大文箱  
 
  短冊箱  
 
  源氏箱  
 
  香炉  
 
  香盆  
 
  渡し金箱  
 
  歯黒箱  
 
  拂箱  
 
  櫛箱  
 
  元結箱  
 
  眉作箱  
 
  爪取箱  
 
  大角赤手箱  
 
  小角赤手箱  
3
蒔絵広蓋   3点
4
村梨子地唐松唐草御紋蒔絵十種香箱   1組
5
黒塗菊折枝蒔絵十種香箱   1組
6
黒塗秋草蒔絵香割道具   1組
7
梨子地木瓜形蝶蒔絵香箱   1合
8
桑十種盤   5組のうち3組
9
四種盤   1組
10
業平菱牡丹紋散蒔絵碁盤   1盤
11
業平菱牡丹紋散蒔絵碁笥・碁石   1組
12
業平菱牡丹紋散蒔絵将棋盤   1盤
13
業平菱牡丹紋蒔絵将棋駒・箱   1組
トップページ前のページに戻る