曹洞宗の名刹 大乗寺の名宝    
 第2展示室
  平成21年11月29日(日)〜12月23日(水) 会期中無休   

 加賀の古刹、大乗寺の文化財を紹介します。大乗寺は鎌倉時代末、加賀の守護富樫家(いえ)尚(ひさ)の創建とされ、現在の野々市町に真言僧の澄(ちょう)海(かい)を住持させたことに始まると伝えられています。永平寺の徹通(てっつう)義(ぎ)介(かい)を招いて禅寺としたことにより、大乗寺は永平寺以外では最初に建てられた曹洞宗寺院であるとして「曹洞宗第二の本山」とも称されることになります。
 その後、大乗寺二世塋(けい)山(ざん)紹(しょう)瑾(きん)、三世明峰素哲(めいほうそてつ)の時期に基礎が築かれ、室町時代には足利幕府の祈願寺として寺領・屋敷が安堵されました。しかし、国主の富樫氏が一向一揆によって倒され、その保護者を失うことになったばかりでなく、一揆を平定した柴田勝家の兵火によって、堂宇も焼失してしまいました。
 加賀藩の時代になって復興が行われ、二代藩主・前田利長の時代、金沢木の新保(現在の金沢市本町)に移転・再興されました。さらに本多政(まさ)重(しげ)により、本多家下屋敷の隣接地である石浦大乗寺坂(現在の本多町)に移転します。その後藩より与えられた現在の地に移転し、今日に続くことになるのですが、今でも県立工業高校から石引台地へ登る坂を大乗寺坂と呼んでおり、かつての名残をとどめています。
 現在、当館に一括寄託される大乗寺の文化財は、古文書・絵画・工芸の類などですが、今回はそれらのうちより、『佛果碧巌破関撃(ぶつかへきがんはきゃく)節(せつ)』(一夜碧巌集)をはじめ、重要文化財五点を含む、20点を展示します。

指定 作品名 作者 年代 材質技法
1 佛果碧巌破関撃節上・下(一夜碧巌集) 希玄道元 鎌倉13世紀 紙本墨書
2 羅漢供養講式稿本断簡 希玄道元 鎌倉13世紀 紙本墨書
3 韻州曹溪山六祖師壇経   鎌倉13世紀 紙本墨書
4 三代嗣法書 徹通義介ほか 鎌倉〜南北朝14世紀 紙本墨書
5 支那禅刹図式(寺伝五山十刹図)   鎌倉13世紀 紙本墨書
6 開山 徹通義介頂相 菊堂祖英 永享6年(1434) 絹本著色
7 3世 明峰素哲頂相   室町15〜16世紀 絹本著色
8   14世 虎室春策頂相   桃山17世紀 絹本著色
9   15世 謙室呑益頂相   桃山17世紀 紙本著色
10   26世 月舟宗胡頂相   江戸18世紀 紙本著色
11   28世 明州珠心頂相   江戸18世紀 絹本著色
12   浄明院画像 月舟賛 本多政長 江戸17世紀 絹本墨画淡彩
13 千体仏図   室町15世紀 絹本著色
14   十三仏図   室町16世紀 絹本著色
15   渡唐天神図 信甫 室町14〜16世紀 絹本著色
16   達磨図   室町16世紀 絹本墨画淡彩
17 維摩居士図 矢田四如軒 江戸18世紀 紙本著色
18   羅漢図   室町16世紀 紙本著色
19   蝦蟇仙人図 東東洋 江戸19世紀 紙本墨画淡彩
20   柳橋水車図   桃山16〜17世紀 紙本金地著色

◎=重文 □=県文


古九谷
 番号  指定 作品名    制作年代   
1 重美・県文 色絵布袋図平鉢 古九谷 江戸17世紀  
2 県文 色絵鳳凰図平鉢 古九谷 江戸17世紀  
3 県文 色絵鶴かるた文平鉢 古九谷 江戸17世紀  
4 県文 色絵百花散双鳥図平鉢 古九谷 江戸17世紀  
5 県文 色絵鶉草花図平鉢 古九谷 江戸17世紀  
6   色絵石畳双鳳文平鉢 古九谷 江戸17世紀  
7   色絵牡丹文平鉢 古九谷 江戸17世紀  
8   青手牡丹図平鉢 古九谷 江戸17世紀  
9   青手老松図平鉢 古九谷 江戸17世紀  
10   青手葡萄図平鉢 古九谷 江戸17世紀  
11 県文 青手樹木図平鉢 古九谷 江戸17世紀  
12   青手桜花散文平鉢 古九谷 江戸17世紀  

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