石川県の名宝                                   
  第2展示室
  平成21年10月29日(木)〜11月25日(日) 会期中無休     

 石川県には、歴史的あるいは芸術的に優れた文化財が数多く伝えられています。これは、江戸時代に加賀藩主としてこの地を支配した、前田家の文化的施策が大きな要因の一つであると言われています。そしてこうした歴史的背景を基盤とするところの石川の文化風土は、芸術・文化全般に対する高い関心というかたちで今日に引き継がれています。

 能登地区は日本海の海上交通により、大陸との接触が早くから行われたため、歴史的な風土や文化を色濃く物語るものを中心とした文化財が残されています。一方、加賀地区では、古代・中世において白山信仰の中心であったことや、中央の社寺の荘園として開かれたことにより、それを反映する文化財が残っています。また、前田家が加賀藩主となって文化の展開をみせて以降は、前田家を中心とする収集・育成された文化財が伝えられています。

 当館ではこうした文化財、とりわけ美術工芸品を中心に収集活動を行っており、ほかに保存と活用を目的として、県内の社寺や個人の方々から、指定文化財を含む多くの作品の寄託を受けています。

 今回の展示は、こうした石川県の貴重な文化遺産の一端を知っていただくとともに、文化財保護法に基づく今年度の国宝・重要文化財の公開と石川県指定文化財を含め、館蔵品、寄託品の中から、国宝1点、重要文化財10点、石川県指定文化財10点、あわせて20点を展示します。
 番号  指定 作品名   作者名等 制作年代   所蔵者
1 重美・県文 色絵布袋図平鉢 古九谷 江戸17世紀  
2 県文 色絵鳳凰図平鉢 古九谷 江戸17世紀  
3 県文 色絵鶴かるた文平鉢 古九谷 江戸17世紀  
4 県文 色絵百花散双鳥図平鉢 古九谷 江戸17世紀  
5 県文 色絵鶉草花図平鉢 古九谷 江戸17世紀  
6   色絵石畳双鳳文平鉢 古九谷

江戸17世紀  
7   色絵牡丹文平鉢 古九谷 江戸17世紀  
8   青手牡丹図平鉢 古九谷 江戸17世紀  
9   青手老松図平鉢 古九谷 江戸17世紀  
10   青手葡萄図平鉢 古九谷 江戸17世紀  
11 県文 青手樹木図平鉢 古九谷 江戸17世紀  
12   青手桜花散文平鉢 古九谷 江戸17世紀  
13 県文 飴釉烏香炉 初代大樋長左衛門 江戸17世紀  
14          
15 県文 蒔絵螺鈿秋月野景図硯箱 伝五十嵐道甫 江戸17世紀  
16 重文 蒔絵和歌の浦図見台 伝清水九兵衛 江戸17世紀  
17 県文 蒔絵梅鉢紋女儀御輿 伝加賀藩細工所 江戸18世紀  
18 重文 黒漆螺鈿鞍   鎌倉13世紀 白山比咩神社
19 県文 梅竹双鳥図存星盆   明16世紀 個人
20 国宝 剣 銘吉光 吉光 鎌倉13世紀 白山比咩神社
21 重文 太刀 銘備前国長船住長光 長光 江戸17世紀 白山比咩神社
22 重美・県文 祇園会図 伝長谷川久蔵 桃山16世紀  
23 県文 盛上菊図 伊年印   大谷派金沢別院
24          
25 県文 両界曼荼羅図   鎌倉〜室町13〜14世紀 金蔵寺
26 県文 白山曼荼羅図     能美市
27 重文 天狗草紙(園城寺巻)     個人
28 重文 後奈良天皇女房奉書   天文6年 室町16世紀 気多大社
29 重文 後深草天皇宸翰御消息 後深草天皇 鎌倉13世紀 個人
30 重文 正親町天皇後宸翰 正親町天皇   菅生石部神社
31 重文 古今和歌集 清輔本   鎌倉13世紀 個人
32 重文 山家心中集 西行法師 鎌倉13世紀 個人
33 重文 太政官符 大伴家持   個人