本阿弥光悦の手紙
前田育徳会
尊經閣文庫分館
 平成21年8月27日(木)〜9月23日(水・祝) 会期中無休 

  第2展示室で開催する「琳派の精華」に合わせ、前田育徳会が所蔵する本阿弥光悦の手紙を十年ぶりに公開します。桃山時代から江戸時代初めにかけて活躍した偉大な芸術家として知られる本阿弥光悦(1558〜1637)は、加賀藩と深い結びつきがあります。
  光悦の父光二は、室町時代以来続く刀剣の目利(めきき)や磨礪(とぎ)・浄拭(ぬぐい)を家業とする京都の名門町衆、本阿弥家宗家の七代光心の養子となり、後に別家を立てて、加賀藩の御用を務めます。その後、光悦・光瑳・光甫(空中)まで、藩の用命を受けています。光悦は、加賀藩祖前田利家や二代利長、三代利常、その他多くの重臣たちと親交を重ね、加賀にも数度下向しています。それは父光二の意を受け、天正12年(1584)、あるいは13年、光悦27・8歳頃に利家に刀剣を届けに金沢に来訪しております。
  本展は近衛信尹や松花堂昭乗とともに寛永の三筆に数えられる「能書たりし」光悦が、加賀藩の重臣今枝氏に宛てた23通の手紙を一堂に展示します。「今内様(今枝内記)」宛22通とその養子「今明様(今枝民部)」宛1通が巻子装にまとめられています。今枝重直(内記と称す・1554〜1627)は謡曲や和歌、茶の湯を深く嗜んでおり、この手紙もその交友があった慶長期のもので、その内容は謡や茶の湯に関することが多くを占め、両者の数寄者としての親交の深さをうかがい知ることができます。 
  こうした手紙にはその筆者の心情や人柄が吐露されていることが魅力です。人間光悦を偲んでいただくとともに、光悦の筆跡を味わっていただき、その書には欠くことができない文房具をあわせて展示しますので、どうぞお楽しみ下さい。

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№  作品名                   員数    
1 本阿弥光悦書状                1巻(23通)
2 本阿弥行状記                  3冊    
3 女三十六歌仙色絵雉図屏風           6曲1双   
4 破月起雲硯                 1面    
5 ?露硯                   1面    
6 唐物塗箔入硯屏               1基    
7 青貝五角軸筆                1本    
8 象牙朱塗軸筆                1本    
9 銅寝獅子筆架                1個    
10 銅獅子筆架                 1個    
11 白玉雲龍彫紫檀座墨床            1台    
12 檀坐白玉蓮等彫墨床             1台    
13 銅玉取獅子文鎮                 1個    
14 象牙車輪文鎮                  1個    
15 真鍮卦算                    1個    
16 銅兎水入                    1個    
17 角類梅花彫筆洗                 1個    
18 秋野歌書蒔絵小硯箱               1合    
19 黒塗薄蒔絵文台・硯箱              1組    
20 老松蒔絵硯箱                  1合    
21 黒塗秋草蒔絵小文箱               1合    

 
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