LOVEに引き続き、一部作品を入れ替えて、 特集 鴨居玲−夢候よ−を9/26(土)〜10/25(日)の間、開催。


 コレクション展示油彩   

 
第3展示室
 特集 鴨居玲−LOVE−
  平成21年8月27日(木)〜9月23日(水・祝) 会期中無休     
鴨居展会場

鴨居展会場 サイコロに興ずる男達を描く「静止した刻」、地獄に堕ちた男達がはい上がろうとあがく「蜘蛛の糸」、首吊りや廃兵、酔っぱらいが取り囲む中、呆然とキャンバスを前にする「1982年 私」。いずれも劇的で、見る人によってはおどろおどろしい情念の世界が展開されます。その暗く重い絵をじっと見つめて、なかなか絵の前から立ち去りがたい様子を、時として展示室で拝見します。何かを考えざるを得ない、強い力が絵に秘められていることは間違いないのですが、それだけではなく、人に寄り添うやさしさが、鴨居の作品にはあると思えるのです。
 一方若い裸婦を描いた「Etude」や、男女が抱き合う「石の花」のような若干華やいだ作品も鴨居は描きました。しかし、裸婦にまろやかな若い肌が描かれることはなく、抱き合う恋人が足元から石化していく姿には、永遠の愛というよりは、分かり合えぬ男女の絶望を感じてしまいます。
 ストレートな語り口で鴨居が語ることはないようです。醜の中に美を見、美の中に醜を見るのです。鴨居のアイロニー(諧謔)というべきでしょう。 今回の特集は一見鴨居の絵とは縁遠い“LOVE”をテーマといたします。鴨居とLOVEといえば、1980年の新境地を求めて、女性像や裸婦、恋人達を描いた『LOVE』展が思い出されますが、本特集はLOVEの姿を広くとらえて 鴨居の作品をセレクトしました。どうぞご覧ください。


No. 作品名 制作年 初出展覧会 技法
1 青いリボン 昭和23年 第2回第二紀会展 油彩
2 自画像 昭和24年   素描
3 群がる 昭和41年   油彩
4 蛾と老人 昭和43年   油彩
5 村の教会 昭和44年   油彩
6 教会 昭和46年   油彩
7 ナザレのおばあさん 昭和47年   油彩
8 おばあさん 昭和48年   油彩
9 月に叫ぶ 昭和48年   素描
10 街の楽士 昭和50年   素描
11 待つ 昭和51年   油彩
12 昭和51年   油彩
13 昭和51年   油彩
14 教会 昭和53年 第32回二紀展 油彩
15 ETUDE(A) 昭和53年 第1回明日への具象展 油彩
16 石の花 昭和54年   油彩
17 裸婦 昭和54年   素描
18 裸婦 昭和54年   素描
19 ピエロ 昭和55年   素描
20 裸婦 昭和55年   素描
21 望郷を歌う 昭和56年   油彩
22 1982年 私 昭和57年   油彩
23 二人 昭和57年   油彩
24 蜘蛛の糸 昭和57年   油彩
25 酔って候 昭和59年   油彩
26 裸婦 昭和60年   素描
27 肖像 昭和60年   油彩
28 首吊り 昭和60年   油彩
29 自画像 昭和60年   油彩
第3展示室 コレクション展示
No.
作 者 名
作 品 名
制 作 年
初 出 展 覧 会
1 小田根五郎 ミラノ・ドゥオモ 平成13年 グループ展究
2 高光一也 アラブの旅 昭和50年 第61回光風会展
3 高光一也 カサブランカ 昭和50年 第7回改組日展
4 硲伊之助 アルバニアの花嫁 昭和40年  
5 藤本東一良 ペギーの道 昭和48年 第5回改組日展
6 宮本三郎 花と裸婦 昭和44年  
7 宮本三郎 裸女達に捧ぐ 昭和44年 第23回二紀展
8 宮本三郎 熱叢夢 昭和46年 第25回二紀展
9 村田省蔵 麦秋 昭和62年 第19回改組日展
10 吉田冨士夫 傀儡師 平成2年 第44回二紀展
 
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