古美術優品選    

第2展示室
   平成21年Ⅱ期:4月25日(土)〜6月1日(月)  
 「古美術優品選」は特定のテーマ設定では取り上げる機会の少ない作品を選んでいます。その結果、通常の特集ではみられない取り合わせの面白さも見所の一つといえます。
  今回は日本の鎌倉時代から江戸時代までの約500年間の絵画・工芸品に、中国の明時代の工芸が展示されています。その中には、正宗の短刀や、室町時代末に加賀で活躍した刀工の家次や勝光による刀もあります。美術工芸品に見られる加飾としての装飾的な美の追求と、その対極にある、余分なものを削ぎ落として鍛え抜かれた凛とした刀剣の美。そしてその両者をともに美しいと感ずる私たち日本人の美意識の再認識など、限られた点数ですが、こうした展示ならではの味わいがあると思います。
 もう一点鑑賞のポイントとして挙げたいのが、様々な吉祥モチーフです。今回の展示作品の中には群れる猿、オウムに子供、象、そして中国唐時代の将軍などが、栄進栄達、子孫繁栄、財運興隆、長命富貴の願いを投影する吉祥モチーフとして登場しています。これらが吉祥の意味を担うようになった背景は、語呂をあわせたものから、作品にあしらわれた姿態、そして故事など様々です。
  展示室には簡単な解説を付けてありますので鑑賞の際に参考にしていただければ幸いです。
 
番号
指定 作品名 作者名 など 年代 展示期間
1
  管弦舟遊図 板谷慶舟 江戸18世紀  
2
  松浜図   江戸18世紀 Ⅰのみ
3
県文 群猿図 円山応挙 江戸18世紀 Ⅱのみ
4
  遊楽図   江戸17世紀  
5
  郭子儀・花鳥図 狩野栄信 江戸19世紀  
6
  千鳥蒔絵硯箱 清水九兵衛 江戸17世紀  
7
  蒔絵十二支図硯箱 伝 五十嵐不尽 江戸17世紀  
8
  蒔絵象嵌象図提箪笥 小川破笠 享保6  1721  
9
  蒔絵螺鈿絵替盆 尾形光琳 江戸18世紀  
10
  短刀 無銘正宗 正宗 鎌倉14世紀  
11
  刀 銘加州住藤原家次 家次 室町16世紀  
12
  刀 無銘 家次 室町16世紀  
13
  刀 銘勝光 勝光 室町16世紀  
14
  真鍮銀象嵌梅柳文鐙   桃山〜江戸 17世紀  
15
  銀象嵌水車文鐙 勝国 天和元 1681  
16
  祥瑞二段捻鉢   明17世紀 Ⅰのみ
17
  呉須染付魚龍文鉢   明17世紀 Ⅰのみ
18
県文 存星梅竹双鳥図盆   明16世紀 Ⅰのみ
19
  存星花鳥輪花盆   明16世紀  
20
  青貝柳水鳥図角盆   明16世紀  
古九谷 4月1日〜6月1日
番号
 作品名
1
県文 色絵布袋図平鉢
2
県文 色絵鳳凰図平鉢
3
県文 色絵鶉草花図平鉢
4
県文 色絵鶴かるた文平鉢
5
県文 色絵百花散双鳥図平鉢
6
県文 青手樹木図平鉢
7
県文 青手桜花散文平鉢
8
色絵牡丹文平鉢
9
青手牡丹図平鉢
10
青手老松図平鉢
11
色絵石畳双鳳文平鉢
12
青手葡萄図平鉢
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