近代日本画とその周辺 | 前田育徳会尊經閣文庫分館 |
平成21年 Ⅰ期:4月1日(水)〜4月21日(火) Ⅱ期:4月25日(土)〜6月1日(月) |
前田育徳会所蔵の近代日本絵画コレクションを中心に紹介する特集展示「近代日本画とその周辺」を開催します。前田家のコレクションといえば、江戸時代以前の作品を連想しがちですが、明治時代に住まいと生活様式が変化したことによって、新しい時代の作品も揃えられました。 明治35年(1902)、長く江戸上屋敷として利用されていた本郷の地に、新たな住まいが建設されることになり、「西洋館」と「日本館」が完成します。明治43年(1910)には念願叶って、新しい邸宅へ明治天皇の行幸が行われることになりました。『明治天皇紀』より行幸の記録を追いながら、本特集で展示される作品について、紹介しましょう。 「七月八日。天候は曇り。十一時十二分、到着。前田家の親族など数十人が門で奉迎し、前田利為と妻渼子らが玄関で奉迎。はじめ西洋館で、金沢の名品や茶菓、『金沢万葉』や刀が献上された後、川端玉章の『花鳥図(波上千鳥)』などの日本画を天覧。いずれも予め頼んで描かせたものなので、もし宸慮(天皇の心)に適うものがあれば、献上すると利為。あわせて今日は、荒木寛畝・川端玉章・福井江亭らが日本館に控えており、画題を賜り、その場で揮毫させるとのこと」これが、現在も育徳会に伝わる『梅(御臨幸記念)』です。
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