特集 三浦 泉 展 −その軌跡− 
 第3展示室
  平成22年3月10日(水)〜3月27日(土) 会期中無休     
 
三浦泉展ポスター
 
     
   本展は風景画を中心に制作を続ける洋画家・三浦泉氏の創作の歩みを、20点の作品によりご覧いただくものです。
 三浦氏は金沢美術工芸大学大学院の頃から10年近く、工場や巨大な起重機など、人の手による構築物を垂直線を強調して描き続けました。いずれも文明の象徴ではあるのですが、画面は哀感を漂わせています。
次に、廃屋、廃校に想を求め、生きた人々の痕跡を、たおやかなノスタルジーの中に描き、風景と心象との融合ともいうべき世界を展開しました。
  この時期の代表作は1995年に第38回安井賞展で佳作を得た「遠い日」でしょう。実際は廃校の小さなプールなのですが、画面一杯に描かれ、歓声が渦巻く巨大なスタジアムとも思えます。往事の賑わいざわめきは沈黙へと変わり、時の移ろう哀しさが乾いた表現にマッチしています。
 その後テーマは『自然』へと向かい、画面は透明な絵具層を何度も施し色彩の艶と深み加えました。近作の「ふゆ」に見られる、重く垂れ込める雪雲、ちらつく雪と木々繁る山間は、雪深い地に育った作者の原風景というべきものでしょう。
 真摯な画面を前にすると、目指すものは宋元の山水画であり、また岸田劉生のいう「在ることの不思議さ」をとらえることであろうかと思いいたります。 写実から心象を経、さらに写実へと深化してきた三浦氏の世界をご堪能ください。

 
 
浜 1982年制作   遠い日 1995年 第38回安井賞展佳作賞
 
 

浜 1982年

遠い日 1995年 第38回安井賞展佳作賞
 
     
 
ポイント三浦 泉 氏 年譜へポイントポイントポイント
 
     
     師と私の道  
 

講演会

 3月14日(日) 午後1時30分〜  聴講無料  
     講師:三浦 泉 氏 (洋画家)   
     会場:美術館ホール  

三 浦 泉 −その軌跡− 出品作品
 タイトル 号 数 制作年 所 蔵
1
 浜 80号 1982年  
2
 冬日 100号 1983年 金沢美術工芸大学
3
 起重機 120号 1987年 白山市立鳥越中学校
4
 冬日 120号 1989年  
5
 遙かな日 120号 1992年  
6
 冬の日 150号 1992年  
7
 残された刻 120号 1993年  
8
 遠い日 150号 1995年  
9
 1996年沖縄 150号 1996年  
10
 朝(あした)に 50号 1996年  
11
 城壁 100号 1997年 北國新聞社
12
 開聞岳 100号S 1997年  
13
 ダブリンの記憶 100号 2000年 小松市立博物館
14
 ダブリンの地下 100号S 2001年  
15
 シャクシャインの悲しみ 120号 2002年  
16
 湖北 60号 2004年  
17
 秋日 60号 2007年  
18
 雪晨 60号 2009年  
19
 ふみづき 80号 2009年  
20
 ふゆ 150号 2009年  

 コレクション展示室(油彩・彫刻)

 
第3展示室
  平成22年3月10日(水)〜3月27日(土) 会期中無休     
油彩画
 
作者名
作品名
制作年
初出展覧会・受賞
1
円地信二
毛皮の椅子
昭和59年
第70回光風会展
2
鴨居 玲
Etude(A)
昭和53年
第1回明日への具象展    
3
高光一也
カサブランカ
昭和50年
第7回改組日展
4
竹沢 基
若い婦人
昭和58年
第69回光風会展
5
中村研一
家居
昭和36年
第47回光風会展
6 藤本東一良 ニースの灯台 昭和57年 第14回改組日展
7 藤森兼明 アドレーション・ミトロプロス 平成14年 第34回改組日展
8 松本 昇 聖職者 平成16年 第36回改組日展
9 南 政善 インドネシアの女 昭和29年 第10回日展
10
村田省蔵
春めく
平成10年
第30回改組日展内閣総理大臣賞

彫刻    
作 者 名 作  品  名 制作年 初 出 展 受 賞
2
田中 昭
春葩
昭和62年
第19回改組日展 内閣総理大臣賞

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