特別陳列 石川の芸術院会員・人間国宝 |
第5展示室 |
平成20年11月13日(木)〜12月24日(水) 会期中無休 |
わが国の中でもとりわけ当県は、工芸技術の高い水準が維持されている地域として広く知られています。江戸時代初期に、加賀藩主前田家の美術工芸に対する積極的な施策によって基盤が形成され、その後、歴代藩主もこの方針を貫き、その発展を促していきました。明治維新後も今日まで、伝統は途切れることなく引き継がれ、多くの名工を輩出し、全国的な評価を受ける芸術院会員、重要無形文化財保持者に認定される人々も登場してきたのです。 日本芸術院は、明治40年に文部省美術展覧会(文展)を開催するために設けられた美術審査委員会を母体にし、大正8年文展が帝国美術院美術展覧会(帝展)に改められた際に、その運営主体となる「帝国美術院」として創設されました。その後昭和12年に「帝国芸術院」、戦後22年に名称を「日本芸術院」と変更し、今日、芸術上の功績が顕著な芸術家を優遇するための栄誉機関として認知されています。 一方、重要無形文化財の指定制度が確立し、その「わざ」の保持者の認定(いわゆる人間国宝)の措置がとられるようになったのは、昭和三十年のことです。かつて「もの」に対する保護の制度はありましたが、伝統技術を体得している人間の「わざ」そのものを保護の対象にしたのは、25年に制定された文化財保護法が、大改正された29年の時でした。 本展は、陶磁、漆工、染織、金工、刀剣、木竹、截金といった多様なジャンルにおける当県ゆかりの芸術院会員、重要無形文化財保持者の名品を一堂に展示し、あらためて伝統工芸技術に対する理解と認識を深め、今後の当県の伝統工芸の振興発展に寄与することを目的に開催するものです。 |
蓬莱之棚 松田権六 |
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NO | 分野 | 作家名 | 作品名 | 制作年 | 出品歴 |
1 | 金属造型 | 蓮田修吾郎 | 白銅浮彫「聖歌の碑」 | 昭和57 | 第21回日本現代工芸美術展 |
2 | 陶芸 | 二代浅蔵五十吉 | 釉彩華陽飾鉢 | 昭和52 | |
3 | 陶芸 | 二代浅蔵五十吉 | 樹間に遊ぶ 色絵飾皿 | 昭和53 | |
4 | 陶芸 | 十代大樋長左衛門 | 緑彩鶏文壺 | 昭和32 | 第13回日展 |
5 | 陶芸 | 十代大樋長左衛門 | 輪花「花器」 | 昭和62 | 第19回改組日展 |
6 | 漆芸 | 三谷吾一 | 海の詩 | 昭和63 | 第20回改組日展 |
7 | 漆芸 | 松田権六 | 蓬莱之棚 | 昭和19 | |
8 | 漆芸 | 前 大峰 | 庭の草道沈金彫手筥 | 昭和28 | |
9 | 漆芸 | 前 大峰 | 沈金猫文「けはひ」飾筥 | 昭和38 | |
10 | 染織 | 木村雨山 | 友禅游魚模様振袖 | 昭和11 | 第1回帝展 |
11 | 染織 | 木村雨山 | 遊童図 | 昭和24 | 第5回日展 |
12 | 染織 | 木村雨山 | 友禅訪問着「鳴禽譜」 | 昭和30 | 第2回日本伝統工芸展 |
13 | 金工 | 初代魚住為楽 | 砂張三象花入 | 昭和23 | |
14 | 金工 | 初代魚住為楽 | 砂張銅鑼 | 昭和29 | |
15 | 木工芸 | 氷見晃堂 | 桐造寄木象嵌之筥 | 昭和26 | 第7回日展 |
16 | 木工芸 | 氷見晃堂 | 大般若理趣分経之箱 | 昭和48 | 第20回日本伝統工芸展 |
17 | 漆芸 | 赤地友哉 | けん胎黒漆鉢 | 昭和51 | 第23回日本伝統工芸展 |
18 | 漆芸 | 赤地友哉 | 曲輪造朱溜金彩盤 | 昭和52 | 第14回人間国宝新作展 |
19 | 刀剣 | 隅谷正峯 | 直刀 七星剣写 銘傘笠正峯作之 癸亥年二月日 | 昭和58 | |
20 | 刀剣 | 隅谷正峯 | 太刀 銘傘笠正峯作之 平成七年八月日 | 平成7 | |
21 | 漆芸 | 大場松魚 | 平文南飛の箱 | 昭和52 | 第2回石川県工芸作家選抜美術展 |
22 | 漆芸 | 大場松魚 | 平文相生箱 | 昭和57 | 第29回日本伝統工芸展 |
23 | 漆芸 | 寺井直次 | 漆盛器 叢 | 昭和40 | 第12回日本伝統工芸展 |
24 | 漆芸 | 寺井直次 | 金胎蒔絵漆箱「飛翔」 | 昭和63 | |
25 | 截金 | 西出大三 | 截金桧合子「摩尼」 | 昭和52 | 第24回日本伝統工芸展 |
26 | 截金 | 西出大三 | 截金彩色木彫合子「華鳥」 | 昭和55 | 第27回日本伝統工芸展 |
27 | 截金 | 西出大三 | 木彫截金彩色合子「愁湖」 | 平成1 | |
28 | 染織 | 羽田登喜男 | 友禅白地総菊文振袖「美の饗宴」 | 昭和35 | 第62回秋の美展 |
29 | 染織 | 羽田登喜男 | 友禅訪問着「群鴦錦秋」 | 平成2 | 第27回日本伝統工芸染織展 |
30 | 木工芸 | 川北良造 | 欅造盛器 | 昭和63 | 第35回日本伝統工芸展 |
31 | 木工芸 | 川北良造 | 兼六園姫小松造水指 | 平成10 | 第50回日本伝統工芸展 |
32 | 漆芸 | 塩多慶四郎 | 乾漆五輪紋鉢 | 昭和57 | 第29回日本伝統工芸展 |
33 | 漆芸 | 塩多慶四郎 | 乾漆稜線文器 | 昭和62 | 第34回日本伝統工芸展 |
34 | 陶芸 | 三代徳田八十吉 | 深厚釉線文壺 | 昭和58 | 第7回伝統九谷焼工芸展 |
35 | 陶芸 | 三代徳田八十吉 | 燿彩鉢「極光」 | 平成4 | |
36 | 漆芸 | 前 史雄 | 沈金箱「秋すだれ」 | 平成11 | 第55回現代美術展 |
37 | 漆芸 | 前 史雄 | 沈金春愁文漆箱 | 平成1 | 第36回日本伝統工芸展 |
38 | 陶芸 | 吉田美統 | 釉裏金彩泰山木文飾鉢 | 昭和59 | 第31回日本伝統工芸展 |
39 | 陶芸 | 吉田美統 | 釉裏金彩大山蓮花文鉢 | 平成12 | 第47回日本伝統工芸展 |
40 | 金工 | 三代魚住為楽 | 砂張稜線磨地水指 | 昭和60 | 第32回日本伝統工芸展 |
41 | 金工 | 三代魚住為楽 | 砂張銅鑼 | 平成14 | |
42 | 金工 | 中川 衛 | 象嵌花器「木菟の森」 | 平成12 | 第30回伝統工芸日本金工展 |
43 | 金工 | 中川 衛 | 象嵌朧銀花器「岑寂樹林」 | 平成13 | 第48回日本伝統工芸展 |
44 | 漆芸 | 小森邦衞 | 曲輪造三彩重箱 | 平成2 | 第8回日本伝統漆芸展 |
45 | 漆芸 | 小森邦衞 | 網代重箱「暁天」 | 平成4 | 第39回日本伝統工芸展 |