展覧会記録


 天神画像と文房具   

 
前田育徳会尊經閣文庫分館
  平成21年1月4日(日)〜2月11日(水・祝) 会期中無休     


  加賀藩主前田家は、三代利常の頃より「先祖は菅原道真である」と公言するようになり、藩政期を通して「天神さま」に深い崇敬を寄せました。利常は京都・北野天満宮を模した小松天満宮を建立し、五代綱紀は道真関係資料を積極的に収集します。また、綱紀や重煕などが太刀を奉納し、境内には斉泰・慶寧らによって建立された石碑が現在も残されています。このように前田家は先祖神として「天神さま」を崇め、そのため前田育徳会には道真関連資料が現在も多く残されているのです。
  本展では、そのなかから道真の姿を描いた「天神画像」と「学問の神」でもある道真にちなんで、育徳会に伝わる文房具を紹介します。
  「天神画像」にはいくつかの種類がありますが、いずれも道真に関する説話に基づいたものです。大宰府へ送られる船の中で丸めた縄の上に座ったところ、あまりの惨めさに怒りがこみ上げ、その表情を露わにしたという「縄敷天神画像」や中国風の装束を身に付け、梅の枝を持つようになった「渡唐天神画像」などです。
  これらの姿は、「天神さま」が多様な神として親しまれた証であり、前田家が先祖として「天神さま」を崇めた理由も、こうした変化自在な姿に対する憧れだったのかもしれません。今回は六点の天神画像と硯・筆架・文鎮・水滴など文房具三十六点を紹介します


前田育徳会尊經閣文庫分館
NO 作品 員数
天神画像
1 胞輪天神像 1幅
2 渡唐天神像  月僊筆 1幅
3 縄敷臨水天神画像 1幅
4 北野神前開眼菅公画像 1幅
5 縄敷天神画像 1幅
文房具
6 破月起雲硯 1面
7 蕉白硯 1面
8 重玄硯 1面
9 七宝硯屏 1基
10 唐物塗箔入硯屏 1基
11 青貝五角軸筆 1本
12 象牙朱塗軸筆 1本
13 阿蘭陀筆軸(高麗塗軸筆) 1本
14 瑪瑙石獅子筆架 1個
15 銅寝獅子筆架 1個
16 銅獅子筆架 1個
17 瑪瑙梅彫筆架 1個
18 白玉雲龍彫墨床 1台
19 檀座白玉蓮等彫墨床 1台
20 紫檀象眼玉入墨床 1台
21 象牙獅子文鎮 1個
22 象牙車輪文鎮 1個
23 紅玉鈎文鎮 1個
24 銅福禄寿文鎮 1個
25 白玉馬猿文鎮 1個
26 白玉螭龍鈎文鎮 1個
27 銅蟹文鎮 3個
28 紫檀撮ミ銀卦算 1個
29 真鍮卦算 1個
30 鼈甲製梅彫卦算 1個
31 白高麗上手水入 1個
32 銅兎水入 1個
33 角類梅花彫筆洗 1個
34 白高麗一葉式筆洗 1個
35 白磁秋海棠式筆点 1個
36 白玉水滴 1個
37 古銅水注 1個
38 蓮葉式白玉筆点 1個
39 紅水晶水滴 1個
40 青貝丸型四重印籠 1個
41 青貝蓮唐草文庫 1合
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