●特別陳列
白 山 を 描 く −石川・福井の画家たち−
石川・岐阜・福井の三県にまたがる霊峰白山は、古くから人々の信仰の対象となり崇められてきました。麓の人々は、生活に豊かな恵を与える河川の水源白山を、御神体として仰ぎ、しだいに修験道の一大聖地として登山参拝する人々が増えていくことになりました。
また白山は、ハクサンイチゲ、クロユリといった高山植物が自生し、山麓に広がるブナの原生林には、ツキノワグマ、ニホンカモシカ、ニホンザルなどの野生動物が生息し、イヌワシ、雷鳥などの鳥類の姿も見られ、貴重な自然の宝庫となっています。
こうした特徴を持つ白山は、昭和30年国定公園に指定され、さらに、白山の魅力にとりつかれた日本画家・玉井敬泉らの運動によって、37年に国立公園に昇格し、美しい自然が保護されてきました。
その優美な姿は、近年、玉井をはじめとする郷土の画家たちの心をとらえています。四季折々に装いを変え、見るものに安らぎと敬虔なる思いを抱かせる白山の表情が、日本画・洋画それぞれの画家たちの筆によって、個性豊かにとらえられてきたのです。
本展は、石川県立歴史博物館で開かれる「石川・福井・文化交流展 白山」に協賛して開催するもので、石川・福井の近現代画家による白山にちなんだ作品を一堂に展示し、あらためてその自然の美を感じ取っていただこうとするものです。 |