●日本の四季
−春・夏の風物−
わが国は、国土が南北に長く、四方を海に囲まれた狭い島国ですが、多様な自然環境を形成し、春・夏・秋・冬の四季の変化がはっきりしています。
日本人は、この四季のはっきりした自然に対して協調的であり、自然と共生するという態度で生活し、文化を築き上げてきました。そして、自然への感情を「花鳥風月」「雪月花」というような言葉で呼び、賞賛してきました。また日本人が自然との間で織りなす美意識を表現した美術工芸品が作られてきました。
本展は、桃山時代、江戸時代の絵画と工芸品の中から、山水花鳥や花木草花を主題とする作品とともに、春・夏の季節の情趣をよく表す事物を取り上げた作品、季節感を感じさせる人々のくらしを取り上げた作品を展示し、日本美術の特色の一つといえる自然に対する優しい情感をたたえる作品を鑑賞していただくものです。
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