6月20日(木)〜7月22日(月) 会期中無休
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特別陳列 プリズムのきらめきから 西田洋一郎の絵画空間

 本展は石川県小松市出身で、シェル美術賞展、ジャパンエンバ美術コンクールなどで受賞を重ねた後、ドイツに留学し、現在はフランスで活動を続ける西田洋一郎氏の、初期作品からコンピュータを用いた最近作まで50点により、その多様な絵画世界をご覧いただくものです。
 西田氏は、クリスタルな球体、立方体、三角柱などが相互に映し合う無限連鎖の映像と、光の照射により生ずる虹の七色と影、この三者を緻密に描いて清冽な絵画空間を生み出しました。
 その後ドイツに留学し、西欧と対峙する自己を見つめるなかで、画面には不定形な帯状の形が加わわり、空間は歪み、不条理の世界を垣間見せるようになっていきます。
 そして変容はイメージのみにとどまらず、それを具体化し、定着させるものとして、コンピュータが深く関わり始めます。

『自然の持つ法則と知性をコンピュータで絵画にする』

 これが、西田氏の現在の制作理念ですが、その言葉通り、近作では風景や人体など有機形態を一旦数値に還元し、コンピュータ処理により、きらめく光の中に再構築するという独自の手法をうかがわせています。
 無機的な数値が有機的な形と色を生み出していくさまは、分子の連なりがこの世の事象を形成する、その相似形ともみなせます。

 アクリルや水彩などの従来の絵画作品と共に、コンピュータグラフィックスによる作品をご覧いただき、絵画の新しい可能性に思いを馳せていただければ幸いです。



配置空間
1990




プリズム分光画(2)
1982



交差位置の2枚のモノリスの上に
1994

西 田 洋 一 郎(にしだ よういちろう)氏 略 歴
昭和23 (1948)
4月14日、石川県小松市串町に生まれる
51 (1976)
神戸市立外国語大学卒業
  第20回シェル美術賞展佳作、52年3等賞、54 年佳作
55 (1980)
個展(東京セントラル美術画廊)
  第13回日本国際美術展入選、第24回シェル美術賞展一等賞
56 (1981)
吉原治良賞美術コンク−ル入選、
第15回現代日本美術展入選、日本画廊協会賞展優秀賞、個展(大阪府立現代美術センター)
57 (1982)
第17回昭和会展入選、ジャパンエンバ美術コンクール(京都国立近代美術館賞)
渡独
58 (1983)
カッセル芸術大学入学
59 (1984)
大ミュンヘン美術展出品、アートフォーラム・ カウシュ(カッセル)で個展、以後毎年ドイツ各地で開催
60 (1985)
第1回石川県作家選抜美術展出品、ダルムシュタット派美術展等に出品
61 (1986)
ルートヴィクスハーフェングラフィック賞展、 カッセル芸術家展出品
62 (1987)
ペン・ギャラリー2人展(アトリエ西宮)開催、カッセルBBK展出品
63 (1988)
カッセルBBK記念展出品、カッセル芸術大学修了、「絵画、今・・・ 」展出品(京都、三重、埼玉)
平成元 (1989)
インド、ネパールを放浪、クラインザッセン10人展出品
3 (1991)
カッセル4人展出品
4 (1992)
第3回石川県作家選抜美術展出品、 個展(アートシアターいしかわ)
5 (1993)
ブラジル、アルゼンチンで制作
8 (1996)
個展「絵画の空間」(ギャラリー・ルフレ、小松)
9 (1997)
第26回現代日本美術展(下関市立美術館賞)
10 (1998)
フランスに移住
12 (2000)
個展(大阪府立現代美術センター)、 札幌国際版画ビエンナーレ出品
13 (2001)
個展(アートシアターいしかわ)
講演会 「作品とあゆみ」(講師・西田洋一郎氏)は7月7日(日)午後1時30分〜
会場 当館ホール、聴講無料
 ◆観覧料=一般350円 (280円) 大学生280円 (220円) 高校生以下無料
                    (  )内は20名以上の団体料金
*常設展観覧料に含まれます。
 
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