1月4日(木)〜2月4日(日) 会期中無休
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●日本の自然・原風景を描く
  郷土が生んだ日本画家  石川 義 展 
                              第7・第8・第9展示室

 昭和5年、金沢に生まれた石川氏は、金沢美術工芸短期大学で日本画を学んだ後、京都に出て日展を中心に活躍し、確実に自己の画風を築き上げてきました。現在は、日展評議員として、画壇の重責を担われています。

 本展は、近年石川氏より、多数ご寄附いただいた作品を中心に、代表作を加えて、64点を一堂に展示し、その画業を振り返るとともに、石川芸術の真髄に触れていただこうとするものです。

第1部 深遠なる自然美の世界
  石川氏は、昭和27年、日展に初入選を果たして以来、今日まで約50年間、数多くの作品を発表してきました。
 その中心的なモティーフとなっているのは、豊かなわが国の自然であり、さまざまな風景の初層をとらえ、表現しています。とりわけ山や森、海や池、滝など雄大な光景を、深い観照の眼差しと巧みな技術によって、力強く、また幻想的に描写し、存在感ある画面を生み出しています。
 第1部では、初期から最近の制作に至る、日展出品作を中心に展示し、画業の足跡をたどるとともに、その深遠な自然美の世界をご覧いただきます。

第2部 杉の輪廻
 これまでわが国の自然美を追究してこられた石川氏のモティーフの中で、とくに愛着を抱いてきたのが「杉」でした。
 「山肌の土から顔出した小さな“杉”の芽が次第に成長し、子に、青年に、大人に、やがて老樹となり、枯れ始め、元の土に戻り、再び新しい芽が生まれる」と語る氏は、自然のふしぎな輪廻の有様を絵筆に託してきたのです。
 第2部では、平成6年に「杉の輪廻 石川義展」と題して開催された個展に出品された作品を中心に展示し、氏の「杉」に寄せる熱い思いを感じ取っていただきたいと思います。

第3部 生きものたちの饗宴
 石川氏の描く作品の中には、大自然の中に生息する、さまざまな生きものの姿を見出すことができます。それらは鳥や魚、動物、あるいは蛙などであり、自然と一体となって生きる姿が、氏の温かい眼差しによってとらえられています。それぞれが、この地上において、個性をもったかけがえのない存在であり、自然との共生のあるべき姿を、映し出しているようでもあるのです。
 第3部では、氏が中心となって結成した日本画の研究グループ「玄」展に出品された作品を中心に展示し、氏の画業のもう一つの側面をご紹介いたします。

森のうた

森のうた

韻

韻  昭和50
京都国立近代美術館蔵

二筋の道

二筋の道 昭和54
金沢美術工芸大学蔵  

石川 義(いしかわ ただし)氏 略 歴
昭和5(1930)
金沢市に生まれる
27 (1952)
第7回日展に「杉」を出品し、初入選
28 (1953)
堂本印象の主宰する画塾・東丘社に入塾
29 (1954)
金沢美術工芸短期大学(現金沢美大)専攻科修了
34 (1959)
第2回新日展に「礁」を出品し、特選
43 (1968)
第11回新日展に「火口原」を出品し、特選
44 (1969)
改組第1回日展に「阿蘇」を出品し、菊花賞
53 (1978)
日本画研究グループ「玄」を結成
55 (1980)
改組第12回日展に「山里」を出品し、会員賞
57 (1982)
石川義個展「杉のテーマ屏風展」(京都府主催)開催
62 (1987)
日展評議員に任命される
平成12 (2000)
金沢学院大美術文化学部日本画教授に就任
13 (2001)
改組第33回日展で文部科学大臣賞
16 (2004)
金沢学院大学名誉教授となる
17 (2005)
石川県立美術館に日本画70点、写生9点を寄贈
 ◆観覧料=一般800円 (600円) 大学生600円 (400円) 高中小生200円 (100円)
                    (  )内は20名以上の団体料金
   
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