平成17年10月27日(木)〜12月23日(金・祝) 会期中無休
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特別陳列
  朝鮮のやきもの

 朝鮮のやきもの展は、総務省が本年進めている“日韓友情年2005”に協賛して開催するものです。韓国の美術で日本に最もなじみが深く、また日本人に最も好まれている美術工芸品は、陶芸だということで、開催することとなりました。日本と韓国の友情年ということですが、朝鮮半島全体のやきものということで、朝鮮のやきもの展として紹介します。

 朝鮮のやきものは、中国のやきものとともに、わが国のやきものにとって最も関係の深いものです。また、朝鮮のやきものは、日本人が最も好むやきものでもあります。

 日本人が過去に朝鮮のやきものと接触する機会は4回ありました。最初は5世紀前半に、朝鮮半島からの渡来工人によってもたらされ、古墳時代中期から平安時代にかけて焼かれた須恵器です。二度目は、16世紀に茶道の発展とともに、李朝の雑器である茶碗類が茶人たちによって茶席で取り上げられたことです。井戸や粉引、三島、刷毛目などの素朴なやきものが、侘び茶の精神にかなって取り上げられたのです。三度目は、文禄・慶長の役による工人の導入です。朝鮮半島へ出兵した日本の大名たちが、陶工を連れ帰って、自藩でのやきものを興隆したのです。唐津・薩摩・上野・高取・萩などの諸窯がそうであり、有田の諸窯もそうです。四度目は、近代になってから、柳宗悦らの民芸の愛好家をはじめとする日本の愛陶家によって李朝陶磁の美しさが再認識され、名もない陶工たちによる作品が蒐集されたのです。

 本展では、高麗時代に中国の越州窯の影響を受けて発達し、本家をしのぐほどに成長し、翡色青磁と呼ばれた高麗青磁と高麗独自といわれる象嵌青磁をはじめとする高麗のやきものと、日本では三島と総称したり、三島と刷毛目に分けたりする粉青と秋草文で代表される染付作品などの李朝のやきものを展示します。

 朝鮮の風土から生まれた独自の美意識を、やきものを通してくみ取ってもらうとともに、楽しんでいただきたいと思います。

青磁柳蔦文水注

青磁柳蔦文水注
小松市立本陣記念美術館蔵

刷毛目茶碗


刷毛目茶碗

 主な出品作品
   雲鶴平茶碗 高麗12〜13世紀
              金沢市立中村記念美術館 
   青磁象嵌菊花文托盞 高麗12〜13世紀
              金沢美術工芸大学
   青磁柳蔦文水注 高麗12〜13世紀
              小松市立本陣記念美術館
   青磁菊花文小鉢 高麗13〜13世紀
               金沢大学資料館 
   刷毛目茶碗 李朝15〜16世紀 石川県立美術館
   刷毛目大茶碗 李朝15〜16世紀 大樋美術館
   斗々屋茶碗 銘百万石 李朝16世紀 個人
   染付草花文花生 李朝18世紀
               金沢市立中村記念美術館
   鉄砂丸壺 李朝17世紀 大樋美術館
   染付辰砂山水図壺 李朝18世紀
               金沢美術工芸大学

 ギャラリートーク
   11月12日(土) 午後1時30分
     コレクション展示室の観覧料金が必要です
      友の会会員は無料

 
 ◆観覧料=一般350円 (280円) 大学生280円 (220円) 高校生以下 無料
                    (  )内は20名以上の団体料金
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