文化財に親しむ11月。文化の日をはさんで「文化財保護強調週間」が展開されており、この時期には、あちこちで文化財に関わる催しが開催されます。当館では毎年、県内に所在する指定文化財の数々を公開することとしています。
石川県内には、美術工芸品で国宝二件を含む重要文化財が86件所在しています。分野別にみると、絵画9件、彫刻16件、工芸品23件、書跡・典籍21件、古文書10件、考古資料7件という内訳となります。また建造物は43件、77棟を数えます。
この数は富山・福井両県をしのぎ、全国的に見ても上位に位置づけられます。こうした文化財が石川に伝わるのは、加賀藩主前田家の文化政策が大いに貢献しています。前田家が収集し、育成した数々の名品が、時代を超えて今日に引き継がれているのです。また、その歴史的背景を基盤とした今日の文化風土は、芸術・文化全般に対する関心の高さを物語っています。
今回の展示では「石川県の名宝」と題して、国宝・重要文化財・石川県指定文化財を紹介します。見どころは当館所蔵の「色絵雉香炉」と白山比咩神社所蔵の「剣 銘吉光」で、いずれも国宝です。現在、石川には2件の国宝が存在するのみで、それを同時に見ることのできる、またとない展観です。ぜひこの機会にご覧ください。