石川の近代彫刻をたずねて
第4展示室

  平成27年10月29日(木)〜12月6日(日) 会期中無休


 本展は明治から今日に至る、石川の近代彫刻の歩みを館蔵品と借用優品でたどるもので、本展は特に加賀地区の作家を中心としています。
 展示では、1.近代彫刻の始まり、2.銅像時代の始まり、3.展覧会と近代日本彫刻の模索、4.戦後美術・彫刻の展開、5.素材・フォルムと環境彫刻、以上の5部構成としました。構成1では、明治維新以降、積極的に受容を図った西洋美術・彫刻の普及・発展と伝統木彫の近代化について。2では、西洋彫刻の写実技法を元に本格化した鋳銅製の特定人物の肖像である銅像について。3では、第二次大戦前頃までの近代日本彫刻の模索・形成について展覧会との関わりについて眺めます。4では、戦後顕著となる国際化と美術の多角化の影響を受けた近代彫刻の展開。5では、同じく戦後発展著しい多彩な素材と技法の近代彫刻への影響と公共・環境彫刻の発展について。以上、各時代と画期を眺め、代表的な作品・作家を紹介します。
 さて、わが国近代彫刻の流れの中で、本県彫刻の動きが重要な位置を占めていることが窺われます。明治13年建立の兼六園内、明治祈念之標の日本武尊像は特定人物の銅像で我が国近代銅像の嚆矢です。また明治20年に全国に先駈け創立した金沢区工業学校(現・石川県立工業高等学校)や、昭和21年、終戦の翌年に早くも創立した金沢美術工芸専門学校(現・金沢美術工芸大学)の存在は、当地の美術への関心の高さが窺え、地域の美術・彫刻振興にも大きな影響を与えています。本県を中心とする彫刻の多彩な展開をお楽しみ下さい。

 

No. 作品名 作者名 制作年 初出展覧会・受賞 所蔵
1 松島図 相川松濤 1910   石川県立美術館
2 青銅猿置物 沼田一雅 c.1894   石川県立美術館
3 石川光明 明治   石川県立美術館
4 草刈り童子 月谷初子 昭和    
5 漁夫の像 青木外吉 明治   石川県立工業高等学校
6 鷹の図木彫額 村上九郎作 明治   石川県立工業高等学校
7 日本武尊像 松井乗運 1880   石川県立美術館
8 日蓮聖人像 水野朗 大正   承証寺
9 四高記念碑 吉田三郎 1957   石川県立美術館
10 銭屋五兵衛像 都賀田勇馬 c.1933    
11 微風 山本力吉 1951 再興第36回院展 石川県立美術館
12 若い都会の女 畝村直久 1932 第13回帝展 特選 石川県立美術館
13 春を包む 矩幸成 1936

第1回東方彫塑院展
時代賞わかもと賞

石川県立美術館
14 松田尚之 1942 第5回新文展 石川県立美術館
15 草笛 中島東洋 1928 第9回帝展 石川県立美術館
16 潮音 新谷英夫 1943 大政翼賛会美術展 石川県立美術館
17 雲に漂う 吉田三郎 1953 第9回日展 石川県立美術館
18 米林勝二     石川県立美術館
19 折られていた花 木村珪二 1970 第2回改組日展 石川県立美術館
20 歌姫 得能節朗 1984 第16回改組日展 会員賞 石川県立美術館
21 昇華 石田康夫 1971 第3回改組日展 特選 石川県立美術館
22 ワ・タ・シ 今ナニヲ 梶本良衛 1997 石川県作家選抜美術展’98 石川県立美術館
23 軍鶏 長谷川八十 1977 第31回二紀展 石川県立美術館
24 コンポジション 祈り 長谷川大治郎 1985 第71回二科展 石川県立美術館
25 SLIDE №5 山下晴子 1991   石川県立美術館
26 転生 堀 義雄 1971 第27回二紀展 文部大臣賞 石川県立美術館
27 アーバン ヴォイド 小尾昌弘 2008 第9回春季二紀展 会員賞  
28 つぶやき 中川 洋 2014 第70回現代美術展  
29 鋳鋼モニュメント
「ある都市空間へ」
蓮田修吾郎 1980   石川県立美術館

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