秋の優品選(古美術)
第2展示室
 平成27年9月12日(土)〜10月25日(日)  会期中無休

 今回の優品は、刀剣、絵画、漆芸、書跡から選びました。刀剣では、正宗作「短刀 無銘正宗」を展示するとともに、加賀の地で作られた加州刀に改めて注目していただきたいと思います。今回は16世紀の加州刀在来派として藤嶋友重作「刀 銘加州藤原住友重」、家次作「刀 銘加州藤原住家次」、清光作「刀 銘清光」を展示し、加州刀の基盤を整備した刀工の業績の一端を紹介します。そして江戸時代の加州刀(新刀)を代表する刀工ともいえる 村兼若から初代兼若作「刀 銘越中守藤原高平(花押)」と、三代兼若作「刀 銘加州住兼若」(ともに県文)を選びました。さらに17世紀から18世紀にかけて金沢で活躍し、全国的に人気のある清光から「刀 銘加州金澤住藤原清光作」もあわせて展示します。
 絵画では、桃山時代の武将、荒木村重の子と言われる岩佐又兵衛の作と伝わる「源氏物語図」と、狩野派の門を離れ、加賀で画業を開花させた久隅守景作「四季耕作図」(ともに県文)を選びました。両作とも、曲折に満ちた生涯を送った画家ならではの、独特な表現世界が注目されます。漆芸では、秋にちなみ加賀蒔絵の名工、五十嵐道甫の作と伝わる「蒔絵螺鈿秋月野景図硯箱」と、「蒔絵菊慈童図薬籠箱」(ともに県文)を展示します。高度な技法を駆使した叙情性の表出は、道甫の特質と言うことができます。そして菊慈童の付け合いとして、書跡から松尾芭蕉の「温泉頌山中の句」(県文)を選び、芭蕉が所持した「頭陀袋」を添え、奥の細道の旅に思いをはせます。
 
  指定 作品名 作者名 年代
1    短刀 無銘正宗 正宗 鎌倉14世紀
2    刀 銘(加)州藤原住友重 藤嶋友重 室町16世紀
3    刀 銘加州藤原住家次 家次 室町16世紀
4    刀 銘清光 清光 室町16世紀
5    刀 銘加州金澤住藤原清光作 清光 江戸17世紀
6  県文 刀 銘越中守藤原高平(花押)元和七年十二月 日 初代辻村兼若 江戸1621年
7  県文 刀 銘加州住兼若 霊護/寛政庚申仲冬十七/支禦危難子孫 三代辻村兼若 江戸17世紀
8  県文 源氏物語図 伝 岩佐又兵衛 江戸17世紀
9    月に波芦図 山田道安 室町16世紀
10  県文 蒔絵螺鈿秋月野景図硯箱 伝 五十嵐道甫 江戸17世紀
11 県文 蒔絵菊慈童図薬籠箱 伝 五十嵐道甫 江戸17世紀
12 県文 温泉頌山中の句 松尾芭蕉 江戸1689年
13   頭陀袋 松尾芭蕉所持   江戸17世紀
14 県文 四季耕作図 久隅守景 江戸17世紀
15 県文 蒔絵梅鉢文女儀御輿 伝 加賀藩細工所 江戸18世紀

番号 指定 作品名 区分/作者名  年代
1 県文 色絵布袋図平鉢 古九谷 江戸17世紀
2 県文 色絵鳳凰図平鉢 古九谷 江戸17世紀
3 県文 色絵鶉草花図平鉢 古九谷 江戸17世紀
4 県文 色絵鶴かるた文平鉢 古九谷 江戸17世紀
5 県文 色絵百花散双鳥図平鉢 古九谷 江戸17世紀
6 県文 青手樹木図平鉢 古九谷 江戸17世紀
7 県文 青手桜花散文平鉢 古九谷 江戸17世紀
8   色絵宝尽鷺文平鉢 古九谷 江戸17世紀
9   色絵牡丹文平鉢 古九谷 江戸17世紀
10   色絵石畳双鳳文平鉢 古九谷 江戸17世紀
11   色絵海老藻文平鉢 古九谷 江戸17世紀
12   青手葡萄図平鉢 古九谷 江戸17世紀

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