琳派Ⅱ 第2展示室
 平成27年 7月24日(金)~9月8日(火) 会期中無休

 
 今回は、点数は少ないのですが俵屋宗達とその後継者・俵屋宗雪、そして喜多川相説の名品を展示します。宗達では、まず「光悦色紙貼交秋草図」(県文)が注目されます。能書家としても知られた本阿弥光悦が、和歌などを揮毫する料紙を制作することは、宗達の工房の重要な仕事でした。本作は、その光悦と宗達の一連の協同作業の終盤に位置付けられるもので、いくつかの色紙には、やがて画家として独立した活動を展開する、宗達のあふれる才気が感じられます。そして善美をつくした造形が功徳となると説く、法華経信仰に立脚した美意識が、卓越した装飾技法によって独自の表現世界を生み出した「槇檜図」(県文)は、宗達晩年の名作として近年ますます評価が高まっています。
 この宗達の後を継いだのが、宗雪でした。加賀藩三代藩主・前田利常は、四女の富姫が八条宮家に嫁いだ際に、八条殿内に御内儀御殿を造営し、その襖絵を宗雪に描かせるなど、宗雪を重用しました。しかし「群鶴図」(県文)の制作に際し、利常は宗雪に狩野派風の表現を要求しています。こうした点が、京文化の影響を受けながらも明確な一線を画す、加賀文化の特徴といえます。そして宗雪を継いだ相説は、尾形光琳に大きな影響を与えた画家でした。相説も加賀で活躍した画家ですが、「秋草図」(県文)の表現には、五代藩主・綱紀の博物学的関心が強く反映していると考えられます。

 第2展示室
No. 指定 作品名 作者 制作年代
1   童子の図 伝 俵屋宗達 江戸17世紀
2 石川県文 光悦色紙貼交秋草図 本阿弥光悦 江戸17世紀
3   はんかい草の図 伝 俵屋宗達 江戸17世紀
4 石川県文 槇檜図 俵屋宗達 江戸17世紀
5 石川県文 群鶴図 俵屋宗雪 江戸17世紀
6 石川県文 秋草図 喜多川相説 江戸17世紀
 古九谷
1 県文  色絵布袋図平鉢
2 県文  色絵鳳凰図平鉢
3 県文  色絵鶉草花図平鉢
4 県文  色絵鶴かるた文平鉢
5 県文  色絵百花散双鳥図平鉢
6 県文  青手樹木図平鉢
7 県文  青手桜花散文平鉢
8    色絵宝尽鷺文平鉢
9    色絵牡丹文平鉢 
10    色絵石畳双鳳文平鉢
11    色絵海老藻文平鉢
12    青手葡萄図平鉢

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