近代の美術  
前田育徳会尊經閣文庫分館
 平成27年 6月11日(木)〜7月20日(月・祝) 会期中無休


 前田育徳会所蔵の近代美術コレクションを紹介する特集展示を開催します。前田家のコレクションといえば、江戸時代以前の作品を連想しがちですが、明治時代に住まいと生活様式の変化によって、新しい時代の作品も揃えられました。
 明治35年(1902)、藩政期に江戸上屋敷のあった本郷の地に、新たな住まいが建設されることになりました。ルネッサンス様式を取り入れた「西洋館」と、伝統的な建築様式による「日本館」の2館からなるもので、特に「西洋館」の建設にあたっては、そこに「行幸を賜りたい」という前田家の強い願いがありました。43年(1910)、明治天皇の行幸が決まり慌ただしく準備が進みます。 
 行幸当日、はじめ西洋館で金沢の名品や茶菓、『金沢万葉』や刀が献上された後、川端玉章の『花鳥図(波上千鳥)』などの日本画を天覧。午後からは「日本館」の座敷にて前田家蔵品の天覧となりましたが、この「日本館」の襖絵が、今回展示する橋本雅邦による山水図襖です。また、別室には画家たちが控えており、『梅図(御臨幸記念)』がその場で描かれました。
 やがて、大正15年(1926)に本郷邸の解放が決定し、現在、前田育徳会が位置する駒場の地に新たな邸宅が設けられ、雅邦の襖絵は新しい「日本館」にも用いられました。本特集では、本郷・駒場、2つの「日本館」を飾った雅邦の襖絵をはじめとする近代日本画を紹介します。

No. 作 品 名 作 者 名
1 四季山水図襖のうち 橋本雅邦
   春景山水図  
   夏景山水図  
   冬景山水図  
2 昭代名家画帖 橋本雅邦ほか
3 秋景山水図 橋本雅邦
4 梅図(御臨幸記念) 川端玉章ほか
5 梅見茶屋 鏑木清方
6 澄潭 結城素明
7 四季花鳥図 村瀬玉田・野村文挙・瀧和亭・川端玉章
8 瀞峡時雨図 山元春挙
9 深山の冬 山元春挙
10 文殊菩薩画像 相川松瑞
11 観音像 岸浪柳渓
12 雌雄矮鶏 高村光雲
13 竹取翁 米原雲海

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