第４展示室において近現代絵画・彫刻部門の26年度新収蔵品を一挙公開し、第３、第６展示室では春に続き、優品選パート２、「夏の優品選」をご覧いただきます。
　昨年度の近現代絵画と彫刻の新収蔵作品は、洋画19点、日本画５点、彫刻・造型８点、水彩・素描２点の計34点でした。洋画では高光一也の戦中期の作品『勤労出動』と、その中の一人を描いた『女性像』など、まだこのような優品が埋もれていたのかと驚いたものです。芸術院会員として活躍されている藤森兼明氏からは、金沢美大在学中の光風会初出品作から近作まで、大変充実した作品を収蔵させていただきました。昨年度特集展示を開いた法邑利博氏や、田浦隆透氏の幻想的な作品は、洋画部門に新たな魅力を加えるものです。ぜひご覧いただきたく思います。日本画では回顧展開催が契機となり、稲元実氏の日展出品作５点を収蔵することができました。いずれも作者の内面世界を描き出した魅力溢れる作品です。彫刻・造型では、共に金沢美大出身の横山豊介氏、加賀谷武氏から独特の世界観を持つ作品群を収蔵することができました。また鉛筆のみで制作を続ける木下晋氏が足の裏を描いた「表情」、大家高山辰雄の素描「白い椿」は、ストイックで美しい世界を展開しています。
　夏の優品選では、季節感溢れる各ジャンルの優品をお楽しみください。