琳派Ⅰ 第2展示室
 平成27年 6月11日(木)~7月20日(月・祝) 会期中無休

 
 本年は、本阿弥光悦が鷹峯の地に移ってから400年の節目となることから、「琳派400年」として、京都を中心に様々なイベントが開催されます。そこで、石川県立美術館でも2回にわたり琳派の特集を組むことにしました。最初の特集では、まず本阿弥光悦にスポットを当てたいと思います。
光悦は熱心な法華宗の信徒でした。法華宗の根本経典である『法華経』「方便品第二」には、子供が戯れに木片などで仏の像を描いたとしても、その人は慈悲ある人となり、幾千万の人々を救済すると説かれています。光悦ら琳派の芸術家たちが制作にあたった原点はこの教えにあるといえます。すなわち、子供の戯れの行為にこれほどの功徳があるならば、大人が真剣に制作にあたれば、その功徳は計り知れないのではないか。この信仰が、今日の人々も魅了してやまない洗練されたデザイン感覚に満ちた琳派様式を生み出したというわけです。今回展示する光悦の「薄木版下絵詩歌」(石川県指定文化財)には、『和漢朗詠集』の詩歌が書かれています。詩歌は仏を讃美する機縁でもあり、それを美しく書くこと、そのために意匠と装飾をつくした料紙を用いること。作品をじっくり鑑賞すると、こうした光悦の信仰が伝わってきます。さらに今回は、光悦一族の本業に関わる「刀絵図」(本阿弥光徳筆・重要美術品)も展示します。従来とひと味違う琳派の世界をどうぞご期待ください。

 第2展示室
No. 指定 作品名 作者 年代
1

 

和歌扇面画賛 本阿弥光悦 江戸17世紀
2

県文

薄木版下絵詩歌(和漢朗詠集) 本阿弥光悦 寛永3(1626)
3 重美 刀絵図 本阿弥光徳 文禄4(1595)
4 県文 蒔絵螺鈿白楽天図硯箱 尾形光琳 江戸18世紀
5 県文 蒔絵螺鈿野々宮図硯箱 尾形光琳 江戸18世紀
6   蒔絵鹿に萩図硯箱 尾形光琳 江戸18世紀
7   蒔絵螺鈿萩図吹雪 尾形光琳 江戸18世紀
8   蒔絵梅椿若松図重箱 尾形光琳 江戸18世紀
9   染付銹絵杜若図茶碗 尾形乾山 江戸18世紀
10   黒釉蒲公英図茶碗 尾形乾山 江戸18世紀
11   銹絵雪笹図鉢 尾形乾山 江戸18世紀
12   色絵雲錦手盃台 尾形乾山 江戸18世紀
13   色絵草花図絵替長皿 尾形乾山 江戸18世紀
14   鹿下絵和歌(掛幅 鴨長明366) 本阿弥光悦 江戸17世紀
15   鹿下絵和歌(掛幅 西行367) 本阿弥光悦 江戸17世紀
 古九谷
1 県文  色絵布袋図平鉢
2 県文  色絵鳳凰図平鉢
3 県文  色絵鶉草花図平鉢
4 県文  色絵鶴かるた文平鉢
5 県文  色絵百花散双鳥図平鉢
6 県文  青手樹木図平鉢
7 県文  青手桜花散文平鉢
8    色絵宝尽鷺文平鉢
9    色絵牡丹文平鉢 
10    色絵石畳双鳳文平鉢
11    色絵海老藻文平鉢
12    青手葡萄図平鉢

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