大名の装い—武具・甲冑・陣羽織—   第2展示室
  平成27年4月19日(日)〜6月7日(日)会期中無休     

 
 歴代藩主が使用した甲冑・陣羽織を展示します。企画展示室で「加賀前田家 百万石の名宝」を開催しており、初代利家から五代綱紀までのものを紹介しています。そこで本展では六代吉徳以降の藩主が使用した甲冑・陣羽織をご覧いただきます。
 戦いの中で、機敏に動くためにより軽い甲冑が求められ、攻撃する武器が多様化、強力化したことにともない、防具である甲冑の変化も促されて、より頑丈なものが求められました。こうした背景から、従来の甲冑の様々な要素を組み合わせて、総合的に構成し生まれたのが当世具足です。「当世」とは今の世、「具足」とは、装具がすべて備わっていることをあらわし、防護機能が完備した当世風の鎧という意味で名付けられました。
 陣羽織は合戦の時、具足の上に着用した外被のことです。室町時代中頃より用いられ、具足羽織や陣胴服などと呼ばれました。当初は普通の羽織を着用していましたが、次第に威厳を示すため人目を引く羽織が作られるようになりました。寒さや雨露から身を守り、動き易く、存在を誇示し威厳を示すために、当時日本に舶載されたラシャやビロードなどの新しい素材を使用して、自由な意匠による陣羽織が作られました。 江戸時代には実用的なものから儀礼的な服装に変化して装飾的要素が強くなり、前田家歴代藩主の陣羽織も、華やかな色彩、大胆で奇抜な意匠のものが多くなりました。


No 作品名 作者名等 員数 制作年代
1 六十二間筋兜 明珍信貞 1頭  
2 六十二間星兜 明珍信家 1頭  
3 黒皺革包総角文蒔絵鞍   1背 江戸/万治3年1660
4 猿置文鞍   1背 江戸/正保2年1645
5 時代鞍 伝大坪道禅 1背 室町15世紀
6 黒塗村梨子地桜寿帯鳥文蒔絵鞍   1具 江戸/明暦2年1656
7 黒塗村梨子地桜寿帯鳥文蒔絵鐙   1具 江戸/明暦2年1656
8 黒塗薄文蒔絵鞍   1背 江戸/寛文4年1664
9 黒塗梅折枝透鐙   1双 江戸18世紀
10 牡丹に唐草柳に燕象嵌鐙 伝与四郎 1双 江戸17世紀
11 障子文金銀象嵌鐙   1双 江戸18世紀
12 篭目に千鳥文銀象嵌鐙 勝尾永政 1双 江戸19世紀
13 黒塗筋十二間甲冑 六代吉徳所用   1具 江戸18世紀
14 鉄十六間甲冑 八代重熈所用   1具 江戸18世紀
15 黒塗十六間甲冑 十代重教所用   1具 江戸18世紀
16 唐冠形甲冑 十一代治脩所用   1具 江戸18世紀
17 鉄六十四間甲冑 十三代斉泰所用   1具 江戸19世紀
18 鉄十六間甲冑 十四代慶寧所用   1具 江戸19世紀
19 日の出に立波文陣羽織 六代吉徳所用   1領 江戸18世紀
20 牡丹獅子文陣羽織 七代宗辰所用   1領 江戸18世紀
21 日の出に立波文陣羽織 八代重熈所用   1領 江戸18世紀
22 日の出に立波文陣羽織 十代重教所用   1領 江戸18世紀
23 五岳文字に雲文陣羽織 十一代治脩所用   1領 江戸18世紀
24 日の出に立波文陣羽織 十三代斉泰所用   1領 江戸19世紀
25 紅羅紗白梅紋下唐更紗陣羽織 十四代慶寧所用   1領 江戸19世紀
前のページへ
コピー
 ホームページの画像・文章などの情報は、すべて石川県立美術館に帰属します
このホームページに関するお問い合わせ
ishibi@pref.ishikawa.lg.jp
 〒920-0963石川県金沢市出羽町2-1 TEL(076)231-7580 FAX(076)224-9550
 Copyright(C) 1999 Ishikawa Prefectural Museum of Art.
コピー