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学芸員コラムColumn

2020年8月21日展覧会#63 酒と鴨居玲(その5)

《勲章》(1985年)

 また作品と酒のはなし。
 鴨居は「自画像の画家」と呼ばれ、自身の内面を投影した作品が知られていますが、もちろん本当の「自画像」も多数描いています。それでは、酔った自画像は描いているのでしょうか。最晩年の《勲章》(1985年)は、紛れもない「自画像」です。勲章よろしく胸にビールの王冠を付けていますが、とても酔っているようには見えません。怖いくらいにしらふです。《1982年 私》にしても、酔っているようには見えません。普段は浴びるように酒を飲む鴨居も、制作の時は一滴も酒を入れなかったといいますが、そのような制作姿勢と関係があるかもしれません。(担当課長 前多武志)

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