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学芸員コラムColumn

2020年8月18日展覧会#62 酒と鴨居玲(その4)

《私の村の酔っぱらい(A)》 1973年

 作品と酒のはなし。
 鴨居作品に酒が登場するのは、《静止した刻》(1968年)の頃からです。手元のタンブラーの底にはウィスキーが見えます。まだこの頃は、男たちがゲームに興じている状況を説明する「装置的な役割」を果たしているにすぎません。少し前には《今日も終わった》(1967年)のようにお酒を飲む人も描いています。やがてお酒そのものは描かず、《私の村の酔っぱらい》や《踊り候え》のように酔った人を描いていくようになります。「酒瓶やグラスなんか描かなくたって酔った人は描けるよ」そんな表現への自信がみられます。(担当課長 前多武志)

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