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学芸員コラムColumn

2019年5月8日展覧会#47 ふたりの出会い

企画展「脇田和と猪熊弦一郎~モダンの展開~」関連連載その3

結婚式の脇田夫妻と媒酌人の猪熊夫妻

 脇田さんと猪熊さん、ふたりはいつ、どのように出会ったのでしょう。6歳年長の猪熊さんは、すでに帝展で特選・無鑑査、光風会でも評議員を務める32歳の青年画家でした。脇田さんも前年に光風会賞を受賞しており、同じ光風会の伊勢正義の紹介で、田園調布にある猪熊さんのアトリエに遊びに行ったのが始まりです。昭和9年のことでした。
 脇田さんは当時の様子を「猪熊さんというのはとても楽しい人で、僕は知り合いになれてすっかり嬉しくなりました。」そして、よほど楽しかったのか「家からテクテク歩いて毎日遊びに行っていたんです。」と語っています。片道4kmほどもある道のりです。
 猪熊さんは「和ちゃんとは兄弟以上の仲である」として、出会った頃の印象を「明るく素直な中に、はにかみやの蔭が残っていて、一度で好きになる青年であった」と述べています。
 その後、猪熊さんの奥さんの従姉妹と、脇田さんが知り合い結婚。生涯にわたる友情が続きました。(担当課長 前多武志)

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