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学芸員コラムColumn

2016年12月8日展覧会#019 開光市展-巨大作は西洋古典へのオマージュか

現在第4展示室と第3展示室の半分、そして第3と第6の通路に開光市の作品をずらっと展示しています。高さ3mの通路壁面私の城_開光市作_2015年_s一ぱいの巨大作品に驚きの声をあげる方々を目にします。圧倒されます。怪奇で重くるしいんですが、魅力的なんですね。

金沢美大の学生時の作品から近作まで全63点ですが、早い時期からスタイルは完成されていると感じます。多重露出でダブらせた人体の奇抜な変形と色彩、そして摩訶不思議な絵肌が、目に飛び込み、シャープで切れ味のいい刃物を連想します。ダイナミックな線がそう思わせるのでしょう。

それにしても巨大な絵を描き続けたものです90年代後半から約10年間、年齢からすれば30代半ばから40代にかけて、体力と創作欲がガッチリかみ合う時期に、画家としての証をキャンバスに刻み続けえたことに、感嘆の思いを抱きます。

当館には今回展示できなかった《舟》と《くも》という8mと9mの超巨大作品があります。ことに《くも》は異なるサイズのキャンバスを組み合わせるという異色の作品です。ぜひ、当館のホームページで所蔵品案内でご覧ください。

さて、開作品の魅力は巨大作にとどりません。私はむしろ小品が、と、おっしゃる方も多いと思います。展覧会も終盤近くになってきましたが、次回は愛らしい小品について述べたいと思います。  (二木伸一郎)

作品詳細:開光市《私の城》2015、218.0×291.0cm

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