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学芸員コラムColumn

2016年9月27日展覧会#13 「作品の見どころは?」

展示風景

展示風景

 展覧会などで、よく「作品の見どころは?」と聞かれることがあります。この“見どころ“の意味は、辞典にはいくつかあげられていますが、その中で“見る価値のあるところ”というのが、最も近い意味といえるでしょう。要するに、見るという視覚優位の評価を求められているということになりましょうか。工芸作品は、本来生活の中で使う道具として制作されてきたもので、それに装飾など美的な付加価値が付けられて美術としての工芸が生み出されてきたわけで、とりわけ陶芸作品などは実際使うことによってより一層そのものの良さを感じ取れるのかもしれません。しかし、展覧会場では基本的に触れてみることはできません。そこで、作品鑑賞に際しては、その肌ざわりや量感などを感じ取り、創造力を発揮して使う場面を想像してみたり、また鑑賞用として制作された造形性の強い作品の場合でもどのような空間にそれを飾ったら作品が映えるかなど、いろいろと作品と対話しながら展示室を回遊してみてると新たな発見があるのではないでしょうか。 (学芸第一担当課長 西田孝司)

 

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