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学芸員コラムColumn

2016年7月6日展覧会#6 山崎百々雄の魅力 2

コラム3さむらい劇場38回1

池波正太郎 著『さむらい劇場』挿画

 金沢で生まれた山崎百々雄は、上京すると映画会社「東宝」で舞台美術の仕事に就きます。このときの経験が、後に時代小説の挿画に生きてきます。山崎の挿画には、例えば大屋根の破風の造りや、下地窓がある露地の風景など、随所にこだわりのある舞台装置が効いています。このように目立たない細部へのこだわりが時代小説のリアリティを高めたのです。
 さて「東宝」では、戦後まもなく映画スターまで巻き込んだ労働争議が勃発(東宝争議)。山崎も給料の支給がとまります。そのとき作家西川満の口利きで始めた挿画の仕事が、挿画の鬼才誕生のきっかけとなりました。(学芸専門員 前多武志)

追記(2016/7/7)
金沢経済新聞に展覧会情報が掲載されました。

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