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学芸員コラムColumn

2016年6月26日展覧会#5 山崎百々雄の魅力 1

コラム1司馬遼太郎著「風神の門」より

司馬遼太郎『風神の門』挿画

 「Fantastic!」外国からのお客さまが、驚嘆のまなこで鑑賞されているのは「挿画の鬼才-山崎百々雄展」の展示室。うすい、うすい画仙紙の、わずか15cm四方に展開する時代小説の世界。その時代の空気が、まさにそこにあらわれるのには、いくつかのわけがあります。そのわけを考えてみましょう。
 ひとつは、池波正太郎や司馬遼太郎ら「名だたる作家の小説」を描いたということがあるでしょう。作家のもつ時代観やていねいな心情表現と、それを絶妙に表現できる山崎の技術とアイディア。それらが相乗的な効果を生みだしたといえます。まあ、作家からの原稿が遅いときは、山崎が話の筋を予想して挿画を描いたり、どのような展開にも使えるコマを用意したりしていたそうですが。そんなエピソードにも、山崎の一方ならぬ技量が窺い知れるようです。
 次回は舞台装置という観点からみてみましょう。(学芸専門員 前多武志)

追記(2016/7/7)
金沢経済新聞に展覧会情報が掲載されました。
http://kanazawa.keizai.biz/headline/2666/

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