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学芸員コラムColumn

2016年5月8日展覧会#4 わきた鳥

窓際の瓜 1974 (油彩)

脇田和《窓際の瓜》1974、油彩・キャンバス

 脇田和の作品には“鳥”が数多く登場します。鳥と遊ぶ子供、鳥と裸婦、車を導く鳥など、鳥と人との関わりが、調和した美しい色彩で描かれています。普段の展示ですと、バックに色をつけ雰囲気を変えて、などと思ったりするのですが、脇田作品ではその思いはしませんでした。繊細な色調の邪魔になるのではという気がかえってしたくらいです。赤や黄、緑など純色に近い色もあるのですが、絵具をかすれるように、あるいはぼかすように用いて、柔らかく調和させています。そして画面は遠近法などは用いず、曼荼羅や物語絵巻のように、異なる場面や異なる時間が並置され、それらを鳥が違和感なく結び合わせているのです。鳥は主人公であり、案内役・差配役でもあるのです。(普及課長 二木伸一郎)

 

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