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学芸員コラムColumn

2022年3月25日その他#70 美術館のお仕事紹介(ケース清掃のおはなし)

こんなケースです

 美術館のお仕事紹介、今回はそのひとつとして、2階コレクション展示室にて常設している、国宝《色絵雉香炉》(野々村仁清作)のケース清掃について紹介します。休館期間におこなっている作業です。
 まずは、細心の注意を払って作品をケースから避難させます。複数の職員で作業し、作品のほうに落ちてくるものなどがない安全な場所に移動させます。ちなみに、このケースには国宝《色絵雉香炉》とともに重要文化財《色絵雌雉香炉》も展示されています。同じ展示室内での移動ですが、国指定文化財2件の取り扱いは、絶対に気を抜けません。また、このとき作品そのものについても、状態確認や写真撮影を行います。 
 いよいよケースの清掃です。ガラスを拭き上げるのですが、外側だけでなく中からも拭き取ります。ガラスは日常的に清掃してはいますが、じっくり時間をかけることができるこの機会に、改めて念入りに点検します。また、作品を照らすライトも交換。照明に寿命がくると、チラチラと点滅する、暗くなってしまうなどの可能性があるので重要な作業です。
 作品を再度ケースにおさめて完了です。これで、作品がガラスの向こうからでもよく見え、適切な照明が当たるようになりました! 作品とその周辺のチェックを欠かさず行うことで、ご来館のみなさまによい状態で作品を楽しんでいただくことを、私たちは目指しています。

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